ベトナム語の基本その1:基本的な人称代名詞の使い方

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はじめに:ベトナム語における人称代名詞の役割

ベトナム語の会話を学ぶ上で、人称代名詞の理解は非常に重要です。日常の対話では、たびたびこれらの代名詞が使用されます。しかし、ベトナム語の人称代名詞は日本語とは異なり、話す相手との関係性により変化します。今回は人称代名詞の基本について学びましょう。

人称代名詞の基礎

ベトナム語では、人称代名詞の使用は話し手と聞き手の年齢、性別、関係性(例えば職場での立場など)によって変わります。これはベトナム社会の階層性や礼儀を重んじる文化に根ざしています。

基本的に、話をする本人を基準としたとき、相手との年齢の差によって、日本語の「私」や「あなた」に相当する言葉が変化します。この変化をわかりやすく説明するために、ベトナム語の親族名称図を用いる方法があります。

ベトナム語の人称代名詞は、以下に示したような親族名称から代用されているので、家族の構成をイメージすると理解しやすくなります。この図を用いながら、1人称、2人称、3人称、複数形に関して説明します。

ベトナム語の親族名称説明図

ベトナム語の一人称について

ベトナム語の「私」を意味する「Tôi」は最も一般的な一人称代名詞です。広い場面で使うことはできますが、家族間で会話する場合には使用されません。また、目上の人に対して使うことはあまり好ましくありません。
ベトナムの日常の会話では以下のように、一人称が変わっていきます。

例1:兄弟くらいの年齢差(私が年下)の場合
「私」 =「em」(年上の人から見ると私という存在が、em(弟、妹)と同じような立場になるため。)
例2:兄弟くらいの年齢差(私が年上)の場合
「私」=「anh(男性)、 Chị(女性)」(年下の人から見ると私という存在が、anh(兄)、Chị(姉)と同じような立場になるため。)
例3:子供とおじさん・おばさんくらいの年齢差(私が年上)の場合
「私」=「chú(男性)、 Cô(女性)または共通でbác」(年下の人から見ると私という存在が、bác・chú (叔父)、cô (叔母)と同じような立場になるため。)

年齢差がある場合には、親族名称図イメージすることで、どの人称代名詞を使うべきか理解しやすくなります。

ベトナム語の二人称について

ベトナム語の「あなた」を意味する「Bạn」は同年代の相手に使用する、二人称代名詞です。一人称と同様に、話し相手の年齢や性別により変化します。
先ほどと同様に例示すると以下のようになります。

例1:兄弟くらいの年齢差(私が年下)の場合
「あなた」=「anh(男性)、 Chị(女性)」(年下の私から見ると相手が、anh(兄)、Chị(姉)と同じような立場になるため。)
例2:兄弟くらいの年齢差(私が年上)の場合
「あなた」 =「em」(年上の私から見ると相手が、em(弟、妹)と同じような立場になるため。)
例3:子供とおじさん・おばさんくらいの年齢差(私が年上)の場合
「あなた」=「con」(年上の私から見ると相手が、con(息子、娘)と同じような立場になるため。)

基本的に1人称と対称に変化します。

ベトナム語の三人称について

一人称、二人称で学んだ基本をベースに考えると、簡単にマスターできます。
日本語の3人称は、「彼」、「彼女」です。ベトナム語の場合、「彼/彼女」がどんな年齢・性別かを考えて話します。「彼」がお兄さんの年齢なら、「anh(兄)」に「ấy」を付け加え「anh ấy」になります。

例1:おじいさんくらいの男性を彼と呼ぶ場合
「彼」=「Ông ấy」
例2:孫くらいの男の子を彼と呼ぶ場合
「彼」=「cháu ấy」

まとめ

ベトナム語の基礎として、人称代名詞に関して説明しました。
会話において、これらの基本的な人称代名詞の使い方を理解し、実践することで、より自然でスムーズなコミュニケーションが可能になります。また、あいさつや会話の中で使われている、人称代名詞に注目してみるとより深いベトナム語の理解につながります。

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